野鳥の腸内細菌のページ

このページは、野鳥の腸内細菌叢に関する研究のページです。

野鳥の消化管の中の腸内細菌叢についての研究に関連した論文を整理します。

整理にあたってのポイントとしては、以下の点を挙げたいと思います。
1.まず、研究の目的です。なぜ、その鳥種の腸内細菌叢を調査しようと思ったのか。それぞれの鳥種ごとに違いが見られるようです。
2.研究サンプルに糞とクロアカスワブのどちらを使っているのか? サンプルからDNAを回収するプロトコルはどうなっているのか?
 もしかすると、このプロトコルを検証するための研究だったり、プロトコルが決まっているからその鳥種を選んだのかも知れません。
3.次世代シークエンサーのデータ解析(ドライ・バイオロジー)は、何を、どのように、どこまで、調べているのか? 理解は難しいです。
4.腸内細菌叢の進化(GM evolution)は、trans-generationか、environment由来か、これは意外と研究者共通の疑問のようです。
今のところは、以上の4点が整理のポイントとして挙がっています。


目次

まずは、掲載してある内容の一覧のための目次です。

  • 1.DNA抽出: 正しいDNA抽出が全ての基礎である。
  • 2.ツバメ: 一番最初の基本とした日本語論文
  • 3.Vultures: 猛禽類
  • 4.Passerines: スズメの仲間
  • 5.Calidris: シギ。。。海岸に生息する鳥 shorebirds
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1.DNA抽出: 正しいDNA抽出が全ての基礎である。

(1) 市販のDNA精製キットの比較
Evaluation and optimization of microbial DNA extraction from fecal samples of wild Antarctic bird species.
Infection Ecology and Epidemiology 2017; Vol.7, 1386536.

(2) 排泄した糞がいいのか?クロアカのスワブがいいのか?
Measuring the gut microbiome in birds: Comparison of faecal and cloacal sampling
Molecular Ecology Resources 2017; 1-11.(この雑誌はたぶんオンラインジャーナルで、本体はない)

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2.ツバメ: 一番最初の基本とした日本語論文

一番最初に参照したのは、日本語で書かれていたから、という理由で、この論文をまず引用する。
タイトルは、「大阪周辺に飛来するツバメの腸内細菌の群集構造解析」
"Intestinal Microbiota in Migrating Barn Swallows around Osaka"
Yakugaku Zasshi Vol.138, No.1: 117-122 (2018)
大阪大谷大学の薬学部、衛生・微生物学講座のグループで、見坂先生が筆頭著者、谷先生かラストオーサーである。

【目的】渡り鳥は病原体を長い距離運ぶベクターの役割を果たす可能性がある。ツバメについて調べてみた。

この論文で行われている内容を、論文の「実験方法」から抜粋する。
3. DNA抽出及び次世代シークエンス解析
QIAamp Fast DNA Stool Mini Kitを用いて、DNAを抽出、精製した。
解析しているのは、巣から落下してきたツバメの新鮮な親鳥の糞である。
(⇒ツバメの糞は、他の鳥種と比べて、DNA精製しやすい方に分類されるのかも知れない。
 言い換えると、ヒトや哺乳動物の糞の性状に似ているということか。)

自前でPCR産物を精製し、PCR産物を等量混合した(⇒個体別のサンプルをプールしたということか?)。
Fasmac社に受託して、次世代シーケンサーMiSeqにて、250bpのペアエンド配列を1サンプルあたり5.5万-10.7万リード取得した。
(⇒Fasmac社への依頼内容の確認、検討を行う必要がある

4. ツバメ由来の糞試料の確認
糞試料がツバメ由来であることを確認するために、Hirundo rusticaのミトコンドリアDNA上の可変領域であるcontrol region 2を標的としたPCRを行っている
(⇒自分たちの研究においても、糞サンプルはミトコンドリアDNAのPCRで確認を行う必要があると思われる)。

5. 塩基配列の相同性解析及び統計解析
塩基配列解析ツール USERCHを用いてキメラ配列を除去し、QIIMEを用いて遺伝子データベース上の塩基配列に対して網羅的に相同性解析を行った。
また、塩基配列の類似度に基づく操作的分類単位(operational taxonomic units: OTUs)のうち特徴的なものについては、BLASTを用いて相同性解析を行った。
試料間の類似性を比較するために、BellCurveエクセル統計ソフトを用いて、科レベルでのOTUsの存在割合を基に、類似度指数 Bray-Curtis Indexを用いたクラスター分析及び主成分分析を行った。
得られた16S rRNA遺伝子の塩基配列は、DDBJ/EMBL/GenBankにAccession number DRA005898-DRA005900で登録した。

  • 赤くしている部分は、検討すべきポイントと、調べるべき用語
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3.Vultures: 猛禽類

Metataxonomics reveal vultures as a reservoir for Clostridium perfringens.
Emerging Microbes and Infections 2017; 6, e9.

【目的】猛禽類は死んだ動物の死体をついばむし、チベットで行われている人の死体の鳥葬にも関わる。鳥葬の人の中には伝染病で死んだ人もいる。なので、猛禽類は伝染病の病原体を運び、拡散しているかも知れないので、腸内細菌叢を調べてみる。

  • この論文には別に、New World vulture studyの論文も報告されている。
The microbiome of New World vultures. Nat Commun 2014; 5: 5498.

  • The species of vultures were identified by mitochondrial cytochrome c oxidase I or b sequence analysis, amplified from the feathers.

  • Genomic DNA was extracted from rectal swabs using the QIAamp Fast DNA Stool Kit.

  • the PacBio sequencingと the Illumina Miseq sequencingは、どう区別するのか?
Sequencing was conducted on a PacBio RS II platform.
Sequencing was conducted on an Illumina MiSeq platform.

  • The primary 16S rRNA sequences generated were filtered using the SMRT Portal (version 2.3.0; www.pacb.com/devnet/).

  • The paired-end reads produced by Illumina MiSeq were merged using FLASH.

  • Qiime was applied for further filtering.

  • Chimeras were removed using the UCHIME algorithm and using RDP gold as a reference database.

  • Rarefaction curves using PAST software, version 1.82b, and Good's coverage were calculated as previously indicated.

  • Operational taxonomic unit and operational phylogenic unit analysis strategy
The USEARCH pipeline was used to cluster the 16S rRNA sequences of both sequencing platforms into OTUs with a threshold set at 98.7% identity. The most frequent read of each OTU was selected as a representative to be added to the LTP123 database (The All-Species Living Tree Project) and aligned using the SINA tool (SILVA Incremental Aligner).
The aligned sequences were inserted into the default tree using the Parsimony tool implemented in the ARB software package.



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4.Passerines: スズメの仲間

Codiversification of gastrointestinal microbiota and phylogeny in passerines is not explained by ecological divergence.
Molecular Ecology 2017; 26: 5292-5304.

論文タイトルを直訳すると、「passerinesにおける消化管内微生物叢と系統発生の(共)多様化(codiversificationの訳語も意味もよく分からない)は、宿主の生態学的な多様性からは説明できない。」となる。論文内容から、宿主の環境からも説明できない、ということになっていて、説明できるとすれば、宿主の免疫ではないか、だから次は、宿主の免疫で説明が出来るかどうかを調べて論文にする、といったようなことが書かれていたと、思っている。

【目的】脊椎動物の腸内細菌叢は多様な細菌から構成されていて、宿主の生理や免疫機能、健康状態に多大な影響を及ぼしている。宿主と腸内細菌叢の間の相互作用については多数の研究がなされているが、野生動物において種内および種間の腸内細菌叢の多様性(バリエーション)に影響する因子はよく分かっていない。そこで、そのような影響因子を検討してみた。

  • Passerinesの腸内細菌叢をシンプルに調べる目的の論文は、すでに報告されている。
Here, we provide the first comprehensive insight into interspecific and interindividual gut microbiota variation in old world passerine birds.
In concordance with two recent cotributions focused on Neotropical and North American passerine, our data show that passerine GM is dominated by Proteobacteria, Firmicutes, Actinobacteria and Tenericutes, thereby ...

 Comparative gut microbiota of 59 neotropical bird species. Frontiers in Microbiology (2015) 6, 1403.

 Characterization of the gut microbiota of migratory passerines during stopover along the northern coast of the Gulf of Mexico. Journal of Avian Biology (2016) 47, 659-668.

  • 系統発生の結果と、それに対する宿主の生態や、環境の要因の影響を評価するといった内容であり、解析のレベルが高く、現状ではまだ理解は難しい。

  • GM evolution ⇒これは、腸内細菌叢の進化(直訳)ということだが、「箱庭モデル」で調べようとしていることと同じ内容を意味する。
(以下、原文引用)It is possible to distinguish two different models of GM evolution, both of which are linked to differing degrees of "intimacy" in the host-GM relationship.
The first is a trans-generation mode of evolution, involving transfer of GM from parents, or other community members, into progeny over many generations, including over speciation events.
The second GM evolution mode involves transfer of microbes from the environment; that is, the source of microbial variability differs from trans-generational transfer, being based on acquisition of microbes with closer evolutionary links to other organisms and/or environmental microbes.

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5.Calidris: シギ。。。海岸に生息する鳥 shorebirds

Active migration is associated with specific and consistent changes to gut microbiota in Calidris shorebirds.
Journal of Animal Ecology 2018: 87: 428-437.

【目的】鳥の渡りと腸内細菌叢の関係を調べるために、同じ群れの中で同種の鳥で渡りをする個体をしない個体の間で、腸内細菌叢の構成を比較してみた。





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  • 最終更新:2018-08-17 16:01:07

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