ウエルシュ菌のページ

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このページはウエルシュ菌に関する文献を整理していきます。

レビュー

  • 家禽のクロストリジウム感染による壊死性腸炎についてのレビュー。2015年度前期ゼミで読んだ文献の1番目。
Diagnosing Clostridial enteric disease in poultry.
Journal of Veterinary Diagnostic Investigation 25(3) p314-327 (2013)

  • 人獣共通感染症としてのクロストリジウム感染症についてのレビュー。2015年度前期ゼミで読んだ文献の2番目。
Clostridia as agents of zoonotic disease.
Vetrinary Microbiology 140 p399-404 (2010)

  • ウエルシュ菌による犬、猫、および野生動物での腸疾患についてのレビュー。2015年度前期ゼミで読んだ文献の3番目。
Clostridium perfringens: A review of enteric diseases in dogs, cats and wild animals.
Anaerobe 33 p14-17 (2015)

  • ウエルシュ菌によるヒトのA型食中毒に関するレビュー。20151117の勉強会で読んだ。
エンテロトキシンについてタンパクの生化学とレセプターとの作用メカニズム、芽胞形成に関連した遺伝子発現調節などに関する内容。
Clostridium perfringens and foodborne infections.
International Journal of Food Microbiology 74 p195-202 (2002)



健康なヒトでの保有調査

健康なヒトでのウエルシュ菌の保有を調べた文献をここにまとめます。症例報告とは区別します。

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健康な動物での保有調査

健康な動物でのウエルシュ菌の保有を調べた文献をここにまとめます。症例報告とは区別します。

  • トナカイでの保有調査
Toxin types of Clostridium perfringens isolated from free-ranging, semi-domesticated reindeer in Norway.
Veterinary Record vol.151 pp.210-213 (2002).
 ウエルシュ菌感染症は農場の家畜では経済的に重要でありながら、トナカイでのウエルシュ菌感染情報はごくわずかである。
しかし、放し飼いのトナカイでA型ウエルシュ菌が原因の腸管毒血症が報告されたことから、トナカイ畜産でのA型ウエルシュ菌の重要性が示された。
そこで、今回の研究では半家畜化された健常なトナカイで、糞便サンプルからのウエルシュ菌の毒素型を調査し、
トナカイとその他動物そしてヒトにおける健康リスクの推定に役立てることを目的とした。
結果は分離率59%で、分離株は全てA型であった。
陽性トナカイ98頭のうち、15頭に由来する分離株がβ2トキシン陽性、2頭に由来する分離株がエンテロトキシン陽性であった。

  • ホッキョクグマでの保有調査
Occurrence and prevalence of Clostridium perfringens in polar bears from Svalbard, Norway.
Journal of Wildlife Diseases vol.44 no.1 pp.155-158 (2008)
 この論文はホッキョクグマ(polar bear)での調査。92頭の(雄55、雌37)クマは基本的にfree-ranging(放し飼い、野放し)だったものが、他の科学的理由から特定地点にimmobilize(固定する、動かなくする)されたそうで、Fig.1からはノルウェーのSvalbardという島(エリア?)の中に46地点くらいが図示されている。材料には、おそらく綿棒で直腸から採取した糞便サンプルで、検査まで4℃保存と書かれている。麻酔した状態でクマから採取したのであろうか?
 結果は全体としての分離率は44%(92頭中40頭から分離)され、分離された中から30株を調べたところ全てA型であり、1株だけβ2毒素遺伝子を保有していた。エンテロトキシンを保有する株はなかった。このグループは、1997年のMeerとSongerのMultiplex PCRシステムを使っている。調査したのは臨床症状のない健康なクマなので、ホッキョクグマでもウエルシュ菌は正常な腸内細菌叢のひとつと見なされた。

  • 健康な家畜での保有調査
The presence of enterotoxigenic Clostridium perfringens strains in faeces of various animals.
International Journal of Food Microbiology vol.14 pp.175-178 (1991)
 タイトルには様々な動物と書いてあるけれど、実際に調べているのは代表的家畜である、ウマ、ウシ、ニワトリ、ブタである。
 結果として、50サンプル(糞便)(ニワトリのみ59サンプル)を調べて、ウエルシュ菌の分離率がウマ、ウシ、ニワトリ、ブタでそれぞれ、24%、36%、80%、2%であった。このうちエンテロトキシン遺伝子を保有するのはそれぞれ、14%、22%、10%、0%であった。ブタはゼロだが、他はかなり高いと思う。しかし、論文の最後は、All these results indicate that only a relatively small fraction of the C.perfringens strains isolated from faeces are enterotoxigenic. (エンテロトキシン産生株は比較的少ない)と結ばれている。「少ない」とする感覚には個人差があるようだ。
 他に、In the intestinal tract multiplication of C.perfringens has been observed before sporulation occurs.
Up till now the incidence of CPE-producing strains is not known. The reason is that no practical tests are available. It is generally thought that CPE is synthesized during sporulation. However, various strains of C.perfringens do not sporulate in the recommended sporulation media.(腸管内ではウエルシュ菌の増殖は芽胞形成の前に観察される。現在までにCPE産生株の頻度は分かっていない。これは実際に実施可能な検査方法がないことが理由である。CPEは一般的に芽胞形成の間に合成されると考えられているが、芽胞形成に推奨されている培地ではウエルシュ菌の大半の菌株は芽胞を形成しないのである。)などといった非常に参考になるコメントが簡潔に書かれていたので、忘れないように書き留めておく。


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健康な実験動物での保有調査

  • ラットでの保有調査
The effect of genetically modified Lactobacillus plantarum 590 on the gut health of Sprague-Dawley rats.
IUBMB Life Vol.64 No.7 pp.617-627 (2012)
ストレートに、健康な実験動物でのウエルシュ菌の保有を調査した論文ではない。本論文は、Sprague-Dawleyラットを用いて、遺伝子操作したラクトバチルス・プランターラム590株のプロバイオティクス効果を、遺伝子操作する前の元株と比較した論文。ここでの遺伝子操作とは、食品添加物である抗菌性タンパク質のナイシンに対する抵抗性を高めるための遺伝子の挿入を指す。この論文の中で、クロストリジウム・パーフリンゲンスの数の変動が評価項目として挙げられていたため、SDラットがウエルシュ菌を腸管内に保有する裏付けとなる論文と考えていた次第である。
しかし、実際のところは、リアルタイムPCRで評価しており、さらにウエルシュ菌に特有のプライマーではなくて、クロストリジウム属に共通のプライマーを使用しているため、正確にはウエルシュ菌の菌量を調べているわけではなかった。腸内容物からウエルシュ菌を実際にプレート培養してはいないから、SDラットがウエルシュ菌を保有しているかどうかは何も分からない。
とりあえず、リアルタイムPCRではウエルシュ菌属の細菌は検出されてはいる。
2016年10月17日に、石塚さんが研究室ゼミにて紹介した。



健康な鳥類での保有調査

健康な鳥類でのウエルシュ菌の保有を調べた文献をここにまとめます。症例報告とは区別します。

家禽(ニワトリなど)
  • ニワトリでの保有調査(Shaneらのグループ)
The occurrence of Clostridium perfringens in the intestine of chicks.
Avian Diseases 28(4) pp.1120-1124 (1984).
ニワトリの腸内容物からのウエルシュ菌の分離はめったに起こらない(infrequent isolation)がこの論文の結論だが、
具体的な数字は明記されていないのが残念。
Timmsの論文と、Barnesらの論文の結果が確認された、と書かれているので、それらの論文の内容を確認する必要あり。
実験は2つから構成され、実験1では金網飼育と新品の敷きわら飼育と使用済み敷きわら飼育の3グループ。
十二指腸から回盲分岐部手前までの腸内容物を液体SPS選択培地で段階希釈して分離培養。1週齢から5週齢まで、5羽ずつの平均値で算出。
結果は、実験に飼育された79羽中62羽から"perfringens-like"コロニーが出現し、分離率は78%。
1週齢から5週齢まで3グループはどれも、10の2乗の後半から4乗の前半のコロニー数であまり大差ないように思われる。
平均値だけが示されていて、各群5羽の個別のコロニー数については書かれていない。
また、1日齢のヒナ5羽をプールしたサンプルでは1.9×10の7乗(高値!)であったことが本文中に書かれているが、さらっと流している。
しかし、"perfringens-like"は"perfringens"ではないため、クックドミートで培養した後に血液寒天培地に塗抹して溶血コロニーを回収。
Minitek anaerobic identification systemで同定した結果、11種のクロストリジウム属菌に分類された。
このうち、"perfringens"は、金網飼育の1週齢、2週齢、4週齢の3羽と、新品敷きわら飼育の4週齢の1羽のみ。使用済み敷きわら飼育からは分離なし。
最終的にはこの結果が、ニワトリの腸内容物からのウエルシュ菌分離はめったに起こらないという結論になっているようだ。
実験2はSPFヒナからの分離で、"perfringens"は外部から隔離されていたはずの1週齢のSPFヒナからも分離された。
このため、産卵前後の糞便汚染による垂直感染が示唆された。ディスカッションでは食糞についてもほんの少し言及している。

  • ニワトリでの保有調査(Timmsの論文)
Observations on the bacterial flora of the alimentary tract in three age groups of normal chickens.
Br. Vet. J. Vol.124 pp.470-477 (1968).
Shaneらのグループの論文で引用されていたTimmsの論文。1968年の発表。
3つの年齢グループ:18日齢、7週齢(約50日齢)、5カ月齢(約150日齢)の健常なニワトリの腸内容物で、細菌分離してみた。
これはこのあとに、コクシジウム症のニワトリの腸内フローラについて調べるための基礎調査という位置づけになっている(イントロに書いてある)。
腸内容物は、卵黄嚢が付いていた痕跡(これをメッケル憩室と言う)を境界として小腸前部と小腸後部、そして盲腸の3つの領域に区分けして調べている。
食餌内容の影響にも配慮して、成分の規定された食餌を与え、その組成について論文中に明記してある。
腸内フローラとしてはウエルシュ菌の他に、大腸菌、レンサ球菌、ラクトバシラス、バクテロイデスについて調べている。
ウエルシュ菌の結果は、分離率など数字ではっきりと示していないが、These were often absent from the small intestine but appeared in low numbers more regularly in the caecum.(小腸からは分離されないことが多かったが、それに比べれば盲腸からは細菌数自体は少ないながらもっと分離の頻度は高かった。)と記載されており、Shaneらのグループの論文の「ニワトリの腸内容物からのウエルシュ菌の分離はめったに起こらない(infrequent isolation)」という結論と同じと言えば同じになるのだろうか。。。
気になる記述としては、Introduction中に"Methods of studying the bacterial flora of the faeces and alimentary tract of different species of normal animals have been described by Shapiro & Sarles (1949) and Smith (1965b)."とあり、そして、Discussionの最初のパラグラフの最後に、"The results published in this paper show a fairly close similarity to those reported by other workers in their investigation into the intestinal bacterial flora of the fowl (Smith, 1965a,b; Shapiro & Sarles, 1949)."と書かれている。どちらも同じ論文が引用されているので、それらについても内容の確認が必要なようである。

  • ニワトリでの保有調査(Barnesの論文)
Manipulation of the crop and intestinal flora of the newly hatched chick.
The American Journal of Clinical Nutrition Vol.33 pp.2426-2433 (1980).
Timmsの論文に引き続き、Shaneらのグループの論文で引用されていたBarnesの論文。こちらは1980年の発表。
調査というよりも、こちらは孵化後数日以内のヒヨコを用いた実験の内容。タイトルにあるcropは嗉嚢のこと。腸内のみならず、嗉嚢内の菌も調べている。
各種菌の培養上清や、成鳥の腸内容物などを孵化直後などに摂取させて、嗉嚢や腸の内部の細菌の組成や数がどう変化するのかを調べた論文。
そのときに腸内の細菌としてウエルシュ菌(正確には、クロストリジウム属菌)が登場してくることになるが、正確な数の記載もないし、そもそもウエルシュ菌としては同定されていない。
Shaneらは参考文献として引用しているが、これをニワトリでのウエルシュ菌の保有調査に関連する文献として引用するのはいかがなものかと思われた。
おそらく、孵化後数日以内の、つまり1週齢のニワトリでのデータとして、Shaneらは参考文献として引用したのかとも思うが、あまり実際の役に立つデータではないのではないかと思う。
内容は細菌学に専門的なので、あまりよく理解は出来ていない。

  • ニワトリでの保有調査(トルコ 2005)
Isolation of Clostridium perfringens from chickens and detection of the alpha toxin gene by polymerase chain reaction (PCR).
Turk J Vet Anim Sci vol.29 pp.847-851 (2005)
トルコの国で2005年の報告であり、かなり新しい。食鳥検査所で160羽分の腸内容物を調べたところ、8羽から分離されたとのことで、分離率は5%。分離菌株も8株で、うち6株は毒素型がA型であり、残りの2株は分類不能であった。

  • ニワトリでの保有調査(イタリアとチェコ共和国 2009)
Clostridium perfringens occurrence and ribotypes in healthy broilers reared in different European countries.
Poultry Science vol.88 pp.1850-1857 (2009)
2015年12月15日のゼミで仲本さんが発表した論文。
タイトルでいうところの異なるヨーロッパの国とは、イタリアとチェコ共和国のこと。
イタリアは、集中飼育、放し飼い、有機飼料飼育の3通りの育成様式と、ベジタブル飼料とアニマル飼料の2通りの飼料タイプ、そして麦わらと木屑、もみ殻の3通りの敷料について分類し、食鳥処理場で入手した盲腸からのウエルシュ菌分離を実施している。チェコ共和国のサンプルは集中飼育のみであった。
分離率は、ニワトリ単位ではなくて、盲腸単位ではあるけれども、調べた盲腸のうちの大体50%から70%弱くらいの盲腸でウエルシュ菌が分離されている。イタリアの集中飼育で敷料にもみ殻を使用していた群では、調べた盲腸のうち80%の盲腸でウエルシュ菌が分離されたという高い数字が記載されている。



  • ダチョウでの保有調査(健康なダチョウと病気のダチョウの両方)
Genotypeing of Clostridium perfringens isolated from healthy and diseased ostriches (Struthio camelus)
Iranian Journal of Microbiology vol.6 no.1 pp.31-36 (2014)
 健康なダチョウと病気のダチョウの両方でのウエルシュ菌の保有調査。健康個体と病気個体で、分離菌の分離頻度や菌型構成に特に違いは見られなかった。A型菌が大半で、C型菌も分離された。β2毒素遺伝子の保有が健康個体と病気個体の両方で効率に認められたが、エンテロトキシン遺伝子を保有する菌株は無かった。
 急性の壊死性腸炎と診断されたダチョウの群れが15群、健康なダチョウの群れが15群、合わせて30群から得られた30個株のウエルシュ菌の分離株を用いて菌の型別を調べている。なので、分離率については不明。しかし、1羽の鳥からは1つの分離株だけを採用しているらしい。これもちょっと腑に落ちない点ではある。
 Discussionの中で、この論文がダチョウ由来のウエルシュ菌の遺伝子型別についての2番目の調査報告であると記されている(To the best of our knowledge, the present study is the second investigation on genotyping of C. perfringens obtained from ostrich.)
 151124に鈴木さんがゼミ発表。

  • ダチョウでの保有調査の1番目とされている論文
Genotyping of Clostridium perfringens by polymerase chain reaction is a useful adjunct to diagnosis of Clostridial enteric disease in animals.
Anaerobe vol.2 pp.197-203 (1996)
 先の論文で、ダチョウ由来のウエルシュ菌の1番目の調査報告であるとして引用されている論文:Songer and Meer (1996) conducted the genotyping of 9 C. perfringens isolates from ostrich by multiplex PCR. All isolates were typeA and one isolate was cpe positive.
 しかし、実際の内容は、ウエルシュ菌の毒素型別の検査法について、従来の検査法の代用としてのPCR検査法の有用性を示したものであり、その中で調べた菌株の中にダチョウ由来のものが含まれていた、というのが正確なところである。また、引用箇所ではmultiplex PCRで調べたと書いてあるが、実際はmultiplexではなく、論文の最後に今後の目標として、multiplex PCRシステムの開発の必要性が述べられている。
ウエルシュ菌に関して、PCR以外の検査方法についても多数の文献を引用しているので、各種の検査方法を整理するのにも非常に有用な文献である。


ニワトリの飼育環境からの分離調査

ニワトリへの汚染ルートを明らかにする目的で、ニワトリの飼育環境からのウエルシュ菌分離を行なった文献をここにまとめます。

  • ブロイラー鶏の孵化場での調査
Prevalence of Clostridium perfringens in commercial broiler hatcheries.
Avian Diseases vol.45 pp.1050-1053 (2001)
孵化場で孵化したヒヨコは、他所の育成場に出荷されていくため、孵化場の汚染はヒヨコを通じて他所へと拡散していくことになる。
このため、汚染のリスクをコントロールする上で非常に重要なポイントとなることはサルモネラ菌でよく報告されている。
この論文は、ブロイラー鶏の孵化場のウエルシュ菌の汚染について報告した初めての論文であり、3か所の孵化場に由来する卵の殻、ヒヨコの綿毛、ヒヨコに敷いた紙製敷き物についてウエルシュ菌の分離を試みた。その結果、高い確率でウエルシュ菌が分離された。サルモネラ菌と違い、ウエルシュ菌は芽胞を形成するので、より厳密な衛生管理が必要である。本研究では、汚染ウエルシュ菌が増殖菌であるのか芽胞菌であるのかは調べていない。

  • ブロイラー鶏のブリーダー、孵化場、育成場、処理場から成る一通りの行程での調査
Incidence and tracking of Clostridium perfringens through an integrated broiler chicken operation.
Avian Diseases vol.47 pp.707-711 (2003)
ブロイラー鶏の品種を維持するブリーダーからは、孵化場に卵が出荷される。この卵を孵化して孵化場から育成場にヒヨコが出荷される。ヒヨコは育成場で40日齢弱くらいで出荷されて、食鳥検査所へ行くことになる。このブロイラー鶏の流れ:ブリーダー⇒孵化場⇒育成場⇒食肉処理場、この一連の行程が本論文では"Integrated operation"と記載されている。分離されたウエルシュ菌のリボタイプを調べて、このそれぞれのポイントがつながるかどうかを試してみた論文。ブリーダー、孵化場、育成場、食肉処理場の4つ全てで共通して分離されたリボタイプは今回の結果では得られなかったが、行程の間でウエルシュ菌の拡散の可能性が推察された。

リボタイピング

別名、フィンガープリンティング法とも呼ばれる。フィンガープリントとは指紋のことなので、菌株の同一性・近縁性を調べる手法。上の論文でリボタイプという言葉が出てきたので、ここにリボタイピングの項目を差し込んだ。
以下の論文で、ウエルシュ菌の菌株の解析に、リボタイピングが有用であることが述べられている。

  • Clostridium perfringens occurrence and ribotypes in healthy broilers reared in different European countries.
Poultry Science vol.88 pp.1850-1857 (2009)
タイトルでいうところの異なるヨーロッパの国とは、イタリアとチェコ共和国のこと。
イタリアは、集中飼育、放し飼い、有機飼料飼育の3通りの育成様式と、ベジタブル飼料とアニマル飼料の2通りの飼料タイプ、そして麦わらと木屑、もみ殻の3通りの敷料について分類し、食鳥処理場で入手した盲腸からのウエルシュ菌分離を実施している。チェコ共和国のサンプルは集中飼育のみであった。この分析を通じて得られた菌株についてリボタイピングを実施したところ、イタリアとチェコは1000km以上も離れているにも関わらず、同一のリボタイプの株が3株認められた。論文の「材料と方法」を読むかぎりでは大型の高価な機械(リボプリンターというらしい)が必要なようだが、共同研究などでこの機械を使用したリボタイピングが可能であるようなら、ぜひ実施してみたい解析である。
この論文は、2015年12月15日の研究室ゼミで、仲本さんが紹介した論文である。



市販の動物肉からの分離調査(エンテロトキシン保有株の比率)

  • Prevalence and characterization of enterotoxin gene-carrying Clostridium perfringens isolates from retail meat products in Japan.
Appl Environ Microbiol. vol.74 no.17 pp.5366-5372 (2008)
日本で市販されている動物肉(牛、豚、鶏、家鴨、羊)について、ウエルシュ菌の分離調査を実施し、その分離頻度、分離された菌の毒素型(A型-E型:全てA型だった)、加えてβ2遺伝子とエンテロトキシン遺伝子の保有を調べた。エンテロトキシン遺伝子を保有するウエルシュ菌の分離株については、染色体に保有しているのか、それともプラスミドに保有しているのかを、(1)遺伝子型、(2)sod(superoxide dismutase)遺伝子のPCRとその増幅産物のシークエンスによる系統樹解析、(3)D100(100℃で菌数が10分の1になるのに要する時間)の3つの手法で調べ、プラスミドに保有しているのだと結論づけられた。従来のヒトの食中毒株は染色体に保有する株が大半であったが、最近はヨーロッパや日本でプラスミドに保有する菌が増えているとのこと。プラスミドに保有する菌株の芽胞の方が短時間の加熱処理で効果を示すとのことであり、プラスミド菌株での食中毒の原因としては不十分な加熱処理、もしくは調理中の混入が考えられるとされていた。また、染色体に保有する菌株が原因の食中毒はclassical type(古典型)、プラスミドに保有する菌株が原因の食中毒はemerging type(新興型)と呼ばれるとの記載もあった。
2015年12月21日にゼミで鈴木さんが発表した。



カキでの保有調査

  • Evaluation of ice slurries as a control for postharvest growth of Vibrio spp. in Oysters and potential for filth contamination.
J Food Prot. vol.78 p.1375-1379 (2015)

  • Comparative analysis of viral pathogens and potential indicators in shellfish.
Int J Food Microbiol. vol.25 p.75-85 (2003)

  • Microbiological quality of the bivalve Pinctada imbricata commercialized in Cumana, Venezuela.
Acta Cient Venez. vol.52 p.55-61 (2001)

  • Selective accumulation may account for shellfish-associated viral illness.
Appl Environ Microbiol. vol.66 p.1375-1378 (2000)

  • Behavior of pathogenic bacteria in the oyster, Crassostrea commercialis, during depuration, relaying, and storage.
Appl Environ Microbiol. vol.40 p.994-1002 (1980)

  • The quantitative bacteriology of some commercial bivalve shellfish entering British markets.
J Hyg (Lond). vol.74 p.431-440 (1975)

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ヒトでの症例報告

ヒトでのウエルシュ菌の感染症(おそらく食中毒)の症例報告に関する文献をここにまとめます。

動物での症例報告

動物でのウエルシュ菌の感染症の症例報告に関する文献をここにまとめます。
  • ツキノワグマでの症例報告
Enterotoxemia associated with beta2 toxin-producing Clostridium perfringens type A in two Asiatic black bears (Selenarctos thibetanus)
J Vet Diagn Invest vol.17 pp.186-189 (2005)
この論文はmultiplex PCRにも関連しています。Grazia Grecoのその2。

鳥類での症例報告

鳥類でのウエルシュ菌の感染症の症例報告に関する文献をここにまとめます。

  • 病気のダチョウからのウエルシュ菌の分離
Genotyping of Clostridium perfringens isolated from healthy and diseased ostriches (Struthio camelus).
Iranian Journal of Microbiology vol.6 no.1 pp.31-36 (2014).
健康なダチョウと病気のダチョウの両方からのウエルシュ菌の分離の報告。「健康な鳥類での保有調査」を参照のこと。

  • 野生カラスでの症例報告
Fatal necrotic enteritis associated with Clostridium perfringens in wild crows (Corvus macrorhynchos).
Avian Pathology 33 (1): p.19-24 (2004).
 2002年に日本の群馬サファリパークで野生のカラスで致死的腸炎の散発的発生が見られ、2月に8羽、9月に2羽が死亡した。
8羽中5羽を病理解剖し壊死性腸炎を確認、1羽からウエルシュ菌が分離された。
免疫組織化学でA型ウエルシュ菌とエンテロトキシンに対する陽性像が観察された。

  • コリンウズラでの症例報告
Ulcerative enteritis-like disease associated with Clostridium perfringens type A in bobwhite quail (Colinus virginianus).
Avian Diseases vol.52 pp.635-640 (2008).
 コリンウズラは、キジ目ナンベイウズラ科に分類される鳥類の一種。アメリカ中東部やメキシコに分布する。全長20-25cmと、ウズラより一回り大きい。背中から胸、腹は赤褐色で、羽根の縁は白色または黒色である。雄は額とくちばしの付け根、眼下部分は黒色で、のど、眉斑は白色であるが、雌は淡い黄色である。21の亜種に分けられており、北部のものほどサイズは大きくなる。鳴き声はBob-whiteと聞こえ、英訳の由来となっている。
 原産地では、マツ林などの開けた林や農地、草地、牧場などに生息している。ドングリやアザミ、エノコログサなどの植物の種子のほか、農地ではコムギやトウモロコシなどの穀物を食べる。4月から6月が繁殖盛期であり、繁殖期には昆虫類が重要な餌となっている。(以上、Wikipedia)
 原産地では留鳥。

  • 野生のガンでの症例報告
Epizootic necrotic enteritis in wild geese.
Journal of Wildlife Diseases vol.23 no.3 pp.376-385 (1987).

  • ヒインコでの症例報告
Clostridial enteritis in red lories (Eos bounea).
J Vet Diagn Invest vol.5 pp.111-113 (1993).

  • ローリー(インコの一種)での症例報告
Ulcerative enteritis (Quail disease) in lories.
Avian Diseases vol.49 pp.606-608 (2005).
正確にはウズラ病(潰瘍性腸炎)なのだが、ウエルシュ菌もちらっと登場する。(ウエルシュ菌は壊死性腸炎)

  • オオライチョウでの症例報告
Necrotizing lesions in the intestine, gizzard, and liver in captive capercaillies (Tetrao urogallus) associated with Clostridium perfringens.
Journal of Wildlife Diseases vol.28 no.4 pp.598-602 (1992).

  • キジオライチョウでの症例報告
An observation of Clostridium perfringens in Greater Sage-Grouse.
Journal of Wildlife Diseases vol.43 no.3 pp.545-547 (2007).

  • 野生のハクチョウでの症例報告
Suspected necrotic enteritis in wild swans.
The Veterinary Record vol.154 no.15 pp.480 (2004).
オオハクチョウ

  • コブハクチョウでの症例報告
Necrotic enteritis in mute swans associated with cyanobacterial toxins.
The Veterinary Record vol不明(要調査)pp.575-576 (2004).
図書館に相談して、volを確認する必要あり。



ウエルシュ菌の検査方法(PCR)

ウエルシュ菌検出のためのPCRシステムが紹介されている論文。

Multiplex PCR

1本のチューブで1つの目的遺伝子を検出するのが通常のPCRであるが、Multiplex PCRでは1本のチューブで複数の目的遺伝子を検出する。

  • JG SongerのMultiplex PCRシステム。一番最初に試した。
Multiplex polymerase chain reaction assay for genotyping Clostridium perfringens.
Am J Vet Res vol.58 no.7 p.702-705 (1997)
このシステムでは、α、β、ε、ι、enterotoxinの5種の遺伝子が一度に検出可能とされる。β2遺伝子は含まれない。
実際に試してみた結果では、βとε遺伝子の2つのバンドしか確認できなかった。
しかし、enterotoxin遺伝子については、有効なポジコンでの確認が出来ていないので、判定保留。

  • JG SongerのMultiplex PCRシステムの修正対応報告があった。
Multiplex PCR assay for toxinotyping Clostridium perfringens isolates obtained from Finnish broiler chickens.
Letters in Applied Microbiology Vol.40 pp.407-411 (2005)
Meer and SongerのMultiplex PCRシステムのcpa遺伝子(α毒素遺伝子)は増幅されない、とのことで、自分たちでcpa遺伝子のためのプライマーを作成し、それと差し替えてもMeer and SongerのMultiplex PCRシステムが正常動作することを確認した論文。我々もMeer and SongerのMultiplex PCRシステムでcpa遺伝子が増幅されていないので、この修正システムを試してみる価値あり。


  • Grazia GrecoのMultiplex PCRシステム。これを採用
Clostridium perfringens toxin-types in lambs and kids affected with gastroenteric pathologies in Italy.
The Veterinary Journal Vol.170 p.346-350 (2005)
このシステムでは、α、β、ε、ι、β2、enterotoxinの6種の遺伝子が一度に検出可能とされる。
使用しているプライマーは、α、ε、ι、enterotoxinの4種の遺伝子については、Daubeらの論文、
β遺伝子のプライマーは、Kadraらの論文、
β2遺伝子のプライマーは、Herholzらの論文から引用されたもの。別々の論文から寄せ集めたプライマーでMultiplex?と怪しんだ。
実際に試してみた結果では、α、β、ε遺伝子の3つのバンドが検出された。
その後、ポジコンで検証してみて、ιとβ2遺伝子を同一チューブで検出できる見通しが立った。
つまり、α、β、ε遺伝子の検出を1チューブ、ιとβ2遺伝子の検出のためにもう1チューブの合計2チューブで5種類の遺伝子の検出を行うことにする。
enterotoxin遺伝子については、やはりまだ有効なポジコンが入手できておらず、判定は保留のまま。

  • Grazia GrecoのMultiplex PCRシステム。プライマーの由来:Daube
Typing of Clostridium perfringens by in vitro amplification of toxin genes.
Journal of Applied Bacteriology vol.77 p.650-655 (1994)
GrecoのMultiplex PCRシステムのα、ε、ι、enterotoxinの4つの遺伝子はこの論文から引用されている。
しかし、この論文ではι遺伝子は他の遺伝子とは別に、1つだけで1本のチューブを使って単独で増幅されている。
元文献で別々に増幅しているプライマーを、Grecoはなんで一緒に1つのMultiplexにしたのか不明。
しかも、実際に試してみたら、やっぱりι遺伝子は一緒に増えることが出来ない結果になっているわけだし。

  • Grazia GrecoのMultiplex PCRシステム。プライマーの由来:Kadra
Typing of sheep clinical isolates and identification of enterotoxigenic Clostridium perfringens strains by classical methods and by polymerase chain reaction (PCR)
FEMS Immunology and Medical Microbiology vol.24 p.259-266 (1999)
GrecoのMultiplex PCRシステムのβ遺伝子のプライマーはこの論文から引用されたもの。

  • Grazia GrecoのMultiplex PCRシステム。プライマーの由来:Herholz
Prevalence of β2-Toxigenic Clostridium perfringens in horses with intestinal disorders.
Journal of Clinical Microbiology vol.37 no.2 p.358-361 (1999)
GrecoのMultiplex PCRシステムのβ2遺伝子のプライマーはこの論文からの引用。

  • Grazia GrecoのMultiplex PCRシステムその2
Enterotoxemia associated with beta2 toxin-producing Clostridium perfringens type A in two Asiatic black bears (Selenarctos thibetanus)
Journal of Veterinary Diagnostic Investigation vol.17 p.186-189 (2005).
Grecoは、ι遺伝子が含まれないMultiplex PCRシステムの論文(つまり、α、β、ε、β2、entrotoxinの5つ)も発表している。
ι遺伝子以外の5つのプライマーは、全てVeterinary Journalのものと一緒。なんか腑に落ちない?


  • さらに別のオリジナルのMultiplex PCRシステム
A multiplex PCR for toxin typing of Clostridium perfringens isolates.
Veterinary Microbiology Vol.136 pp.411-412 (2009)
これは、original articleではなく、letters to the editorとして扱われていたが、新規のオリジナルのMultiplex PCRシステム。Multiplex PCRシステムの報告だけでは、original articleとしての価値はないということだろうか? しかし、templateには95℃で熱処理した菌液の上清でよいとしっかり記述されていて、それで完璧にうまく増幅されていると自信たっぷりに書かれていることから、試してみる価値はありそう。


  • ワクチン接種されたヒツジでは、腸内のウエルシュ菌が減少する
Genotyping of isolates of Clostridium perfringens from vaccinated and unvaccinated sheep.
Small Ruminant Research Vol.95 pp.65-69 (2011)
この論文ではヒツジの糞のサンプルを用いて、Multiplex PCRによってウエルシュ菌を調べているが、そのプライマーは既報の論文から引用した組合せで構成されている。しかし、この論文で面白いのは、ワクチン接種と非接種のヒツジで糞のウエルシュ菌量を比較しているのだが、ワクチン接種したヒツジでは糞中からウエルシュ菌量が分離される頻度が著しく減少していることである。ワクチン接種によって、腸内のウエルシュ菌の増殖を抑制できることになるが、そのようなワクチン効果を考えたことがなく、非常に興味深く思われる。



Real-time PCR

通常のPCRは目的遺伝子が有るのか無いのかを判定するが、リアルタイムPCRは目的遺伝子がどれだけの量あるのかを定量することができる。

  • Quantitative detection of Clostridium perfringens in the Broiler fowl gastrointestinal tract by real-time PCR.
Applied and Environmental Microbiology 71:3911-3916 (2005)
2015年11月9日のゼミで仲本さんが発表した。2016年11月21日のゼミで石塚さんも発表した。

  • Real-time PCR assay for Clostridium perfringens in broiler chickens in a challenge model of necrotic enteritis.
Applied and Environmental Microbiology 77:1135-1139 (2011)
上の論文と同じシステムのリアルタイムPCR系を使用している。上の論文はリファレンスに引用されている。つまり、このリアルタイムPCRの系は、ちゃんと動く可能性が高いと考えられる。


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ウエルシュ菌の検査方法(PCR以外)

ELISA

腸管毒血症を疑う症状で死亡した動物の腸管内容物で実施するα毒素タンパク検出のためのELISA法。
2016年1月13日に3年生の勉強会で読み合わせした。
  • Detection of Clostridium perfringens α toxin by enzyme-linked immunosorbent assay.
Research in Veterinary Science Vol.63 pp.101-102 (1997)


ELISA

腸管毒血症で急死したヒツジの腸内容物でウエルシュ菌のβ毒素およびε毒素を検出するためのELISA法。
従来のマウスでの毒性試験およびウエルシュ菌の培養検査に代わることが出来るかどうかを検討。
Cut-off値の設定など、ELISA法の評価についてより実際的な内容となっている。
  • Evaluation of enzyme-linked immunosorbent assay for diagnosis of Clostridium perfringens enterotoxemias.
Veterinary Microbiology Vol.31 pp.389-396 (1992)


ラテックス凝集検査

家畜動物の腸内容物サンプルで実施するε毒素タンパク検出のためのラテックス凝集検査法。
ELISA法との比較についてのディスカッション内容もあり。
2016年1月19日に3年生の勉強会で読み合わせした。
  • A latex agglutination test for the qualitative detection of Clostridium perfringens epsilon toxin.
Research in Veterinary Science Vol.56 pp.259-261 (1994)


逆受身ラテックス凝集反応

ウエルシュ菌の培養上清およびウエルシュ菌食中毒の患者の下痢サンプルからエンテロトキシンを検出するための逆受身ラテックス凝集反応。
アメリカのグループだが、日本のデンカ生研から市販されている検査キットを用いて、ELISA法での検出結果と比較している。
ほとんど、このデンカ生研のキットのコマーシャルみたいになっている論文。
  • Evaluation of a reversed passive latex agglutination test kit for Clostridium perfringens enterotoxin.
Journal of Food Protection Vol.49 pp.523-525 (1986)


逆受身赤血球凝集反応法と一元放射免疫拡散法

ウエルシュ菌の培養上清および正常なヒツジの腸内容物及び実験的にD型ウエルシュ菌を腸内接種したヒツジの腸内容物を用いて、ε毒素タンパク検出のための検査法についての論文。
タイトルにあるのは、逆受身赤血球凝集反応法であり、これの他にもう一つ、同じくin vitroの免疫学的アッセイ法として、一元放射免疫拡散法が登場し、そしてこの2つのアッセイ系を、in vivoアッセイ系であるマウス毒性試験と比較するという構成になっている。
短い論文だが、その分記述が非常にシンプルであり、内容は複雑ではないが、細部まできちんと理解しようと思うとかなりの困難を伴う。
  • Reverse phase passive haemagglutination and single radial immunodiffusion to detect epsilon antigen of Clostridium perfringens type D.
Australian Veterinary Journal Vol.54 pp.541-544 (1978)


Vero細胞アッセイ

この論文のイントロダクションの中の記述によれば、ウエルシュ菌の腸管毒血症を検出するための試験法には3つのカテゴリーがある:生物学的試験法(biological tests)、血清学的試験法(serological tests)、組織培養アッセイ法(tissue culture assays)。その中で、この論文で取り扱っている試験法は、組織培養アッセイ法に該当する。いずれのカテゴリーも、毒素を検出するのが目的の試験法である。
  • Vero cell assay for rapid detection of Clostridium perfringens enterotoxin.
Applied and Environmental Microbiology Vol.55 pp.2141-2143 (1989)


動物を用いた中和試験(産生毒素の種類の判定)

ウエルシュ菌が産生する毒素の種類を調べるための検査法で、動物を用いた毒素の中和で調べる。
具体的には、モルモットの脇腹の皮膚に接種して壊死病変の有無で判定する方法と、マウスに静脈投与して48時間内の生死で判定する方法。
  • Identification of types of Clostridium perfringens. Neutralization tests in the skin of guinea pigs. Serum neutralization tests in mice.
Diagnostic Procedures in Veterinary Microbiology, Springfield, IL (1984)


対向免疫電気泳動法

原理としては、沈降反応の分類に入る対向免疫電気泳動法(counterimmunoelectrophoresis)。羊、牛、山羊の小腸内容物中のD型ウエルシュ菌のε毒素を検出するのが目的で、論文中では対向免疫電気泳動法の成績とマウス静脈内中和試験(mouse intravenous neutralisation test)の成績とを比較をしている。つまり、この論文を読めば、マウス静脈内中和試験の原理も分かるということ。
  • The detection of Clostridium perfringens type D enterotoxin in the intestinal contents of animals by counterimmunoelectrophoresis.
New Zealand Journal of Science Vol.27 pp.423-426 (1984)


Western BlotとDIGラベルGeneプローブアッセイ

ウエルシュ菌が産生するエンテロトキシン毒素は、芽胞型の菌が産生すると報告されている。さらに、エンテロトキシン毒素の遺伝子を保有しているから、と言って、エンテロトキシン毒素の蛋白を100%産生するとは限らない。
エンテロトキシン毒素の遺伝子の保有については、DIGラベルGeneプローブアッセイとPCRアッセイの特異性と感度を検証した。エンテロトキシン毒素の蛋白の産生については、Western Blotアッセイの特異性と感度を検証した。
そして、エンテロトキシン毒素遺伝子の保有の有無 ⇒ 培地中での芽胞形成の有無 ⇒ エンテロトキシン毒素蛋白の産生の有無、この関係式の検出の正確性について、幾多のリファレンス株を用いて検証した論文であり、非常に丁寧な仕事である。
  • Comparison of Western Immunoblots and Gene detection assays for identification of potentially enterotoxigenic isolates of Clostridium perfringens.
Journal of Clinical Microbiology Vol.32 pp.2533-2539 (1994)


血清型別

  • Clostridium perfringens food poisoning: Use of serotyping in an outbreak setting.
Journal of Clinical Microbiology Vol.27 pp.660-663 (1989)
血清型の手法の詳細な説明というよりは、実際に発生した症例でウエルシュ菌を疑う根拠が乏しかったときに、血清型別が役に立ったという、症例報告に近い内容の論文。しかし、血清型別の結果によりウエルシュ菌を疑う根拠が確定した、とは理論的に苦しいのではないかと思われた(個人的に)。
2016年8月5日の研究室勉強会で石塚さんが発表した。


16S rRNAシークエンス解析

  • Application of Clostridium-specific PCR primers on the analysis of dark fermentation hydrogen-producing bacterial community.
International Journal of Hydrogen Energy Vol.33 pp.1586-1592 (2008)
ウエルシュ菌の同定方法として実際に利用している16S rRNA遺伝子のシークエンス解析について、方法論に関する内容の論文。この論文の筆者らは水素を生産するための目的でクロストリジウム属菌について研究しており、その際のクロストリジウム属菌の分類のために、16S rRNA遺伝子の塩基配列解析を利用している。そのPCRで用いるプライマーが、従来のユニバーサルプライマーとオリジナルのクロストリジウム属菌特異的プライマーのどちらの方が有用性が高いのかを比較して論じた内容。もちろん、オリジナルの方がいいんだよ、という結論になっている。
2016年9月9日の研究室勉強会で山本さんが発表した。





ウエルシュ菌の遺伝学的多様性の解析

現在の毒素型分類と遺伝学的分析との対応

  • Genomic analysis of Clostridium perfringens isolates from five toxinotypes.
Research in Microbiology Vol.166 pp.255-263 (2015)
2016年11月7日の研究室ゼミで関くんが発表した。
ウエルシュ菌の現在の毒素型分類を遺伝学的に分析してみて、A型菌はB~E型菌に関連しているプラスミドが欠如していて、この点が他の株との大きな違いだと強調している。さらにそれぞれの毒素型のための遺伝学的特徴を明らかにするため、ゲノム解析を進める必要があるとしている。


リボタイピング

上の方にあるニワトリの飼育環境からの分離調査のところにも記載してあるので、そちらを参照のこと。
  • Incidence and tracking of Clostridium perfringens through an integrated broiler chicken operation.
Avian Diseases vol.47 pp.707-711 (2003)

  • Clostridium perfringens occurrence and ribotypes in healthy broilers reared in different European countries.
Poultry Science vol.88 pp.1850-1857 (2009)
2015年12月15日のゼミで仲本さんが発表した。


ホスホリパーゼC遺伝子による系統樹解析(α毒素遺伝子のこと)

  • Characterization of polymorphisms and isoforms of the Clostridium perfringens phospholipase C gene (plc) reveals high genetic diversity.
Veterinary Microbiology vol.159 pp.397-405 (2012)
系統樹解析といっても、どの遺伝子について実施するのかといった違いがあるらしい。この論文は、ホスホリパーゼC遺伝子(plc遺伝子)の塩基配列、アミノ酸配列、ハプロタイプなどを調べたもので、先行して発表されていたらしいTsutsumiらの論文よりも解析したシークエンスの数が多いようだ。ホスホリパーゼCとは別名、α毒素のことであり、ウエルシュ菌であれば全ての菌株が持っているものであるから、ウエルシュ菌の系統樹解析には都合がよいのかと思ったが、報告は多くないようだ。
他の遺伝学的多様性の解析手法としては、プラスミドのプロファイリング、リボタイピング、パルスフィールドゲル電気泳動(PFGE)、増幅断片長多形性(AFLP)、rep-PCRなどがあることが論文中で紹介されていた。


増幅断片長多型解析法(AFLP: Amplified fragment length polymorphism法)

  • Amplified fragment length polymorphism (AFLP) analysis of Clostridium perfringens for epidemiological typing.
International Journal of Food Microbiology Vol.56 pp.21-28 (2000)
2016年5月27日の研究室勉強会で山本さんが発表した。


多座位配列タイピング法(MLST: Multilocus sequence typing法)

  • A wide variety of Clostridium perfringens type A food-borne isolates that carry a chromosomal cpe gene belong to one multilocus sequence typing cluster.
Applied and Environmental Microbiology Vol.78 No.19 pp.7060-7068 (2012)
2016年11月15日の研究室ゼミで鈴木さんが発表した。
ヒトの食中毒の原因であるcpe遺伝子を染色体上に保有しているウエルシュ菌株は、MLST解析ではcpe遺伝子をプラスミド上に保有している菌株、およびcpe遺伝子を保有していない菌株とは、異なる特別なひとつのクラスターに分類されるという内容。こういう具合に、動物由来のウエルシュ菌を解析して、菌株の間の関連性を調べていきたいと思っているので、ある種のモデル論文である。


  • Clonal relationships among Clostridium perfringens of porcine origin as determined by multilocus sequence typing.
Veterinary Microbiology Vol.116 pp.158-165 (2006)
2016年7月1日の研究室勉強会で鈴木さんが発表した。


バクテリオシン・タイピング、プラスミド・プロファイリング、リボタイピング

  • Strain differentiation of Clostridium perfringens by bacteriocin typing, plasmid profiling and ribotyping.
Journal of Veterinary Medicine B Vol.45 pp.595-602 (1998)
2016年7月15日の研究室勉強会で関くんが発表した。









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  • 最終更新:2017-02-07 18:05:34

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